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こんな話

◎英国の歴史学者パーキンソンは、閣僚の定数について分析する。それによると、最も望ましいのは5人である。首相と大蔵、外務、防衛、法務の各大臣で足りる。この程度なら、互いに存分に意見交換し、かつ秘密も保てる。ところが、内閣はふくらむ傾向をもつ。権力を欲する人々がポストを求めて突き上げるからだ。彼らをおとなしくさせるには人数を増やして処遇するのが手っ取り早い。かくしてやがて2桁となっていく。20人を超える頃、組織は突然変異を起こす。主要メンバー5人ほどが前もって大体のことを決めてしまうようになる。会議は儀式と化し、時間の無駄となる。朝日新聞「天声人語」(14.4.24)より

◎<高校生>代替バスの大合唱.pdf

「遅読」で育てた学びの背骨:明治生まれの作家、中勘助の自伝的小説「銀の匙(さじ)」。この200ページほどの文庫本に中学3年間の国語の時間をすべて費やす「遅読授業」が、2010年、脚光を浴びた。・・・・・「丑(うし)」の字に出合うと、十干十二支から丙午(ひのえうま)、甲子園の由来まで丁寧にたどる。「漢方」が出てくれば大阪の薬問屋街、道修町(どしょうまち)の神社「神農さん」にまで話を広げる。主人公が食べた駄菓子を教室で試食し、たこ揚げや百人一首でも実際に遊ぶ。・・・・・国語は「学ぶ力の背骨」となる教養を育てる科目。興味の赴くまま、横道にそれていけばいい。進み具合を不安がる生徒には「すぐ役立つことは、すぐ役立たなくなる。自分で見つけたことは一生の財産になる」と諭した・・・・・。<朝日新聞「惜別:元灘中学・高校国語教師 橋本武さん」(14.1.18)より

昆虫の食べられないための驚くべき戦略.mht

◎「本でも雑誌でも、いや人間でも、実用性、物語性、扇動性の三つ をそなえていないと、売りものにならない」、「カッパの本は、冷たいロゴスを底にひめた温かいパトス、つまり、知性をふまえた感性、感覚、感情にうったえる」ものであるべきだという信念を持ち、岩波新書の教養主義に対抗して、著者と編集者と読者が同じ平面に並ぶような本作りを目指した。その結果として陸続と生み出されたカッパのベストセラー本は、戦後民主主義の一つの結実だと言ってもけっして大袈裟(げさ)な評価ではない。書評<カッパ・ブックスの時代[著]新海均 [評者]若島正>(毎日新聞 2013年9月8日)より

お客様を知る力は日本一!の書店員.jpg

地球が平坦(へいたん)な球形で、富士山だけが山ならば、半径236キロから富士山が見える計算になる。この円周より外でも、高い場所に上がれば富士山が見える。むろん間に山や丘陵があればさえぎられる。しかし理論上はそうでも、ほんとうに見えるかどうかわからない。大気と光の微妙な屈折、そして樹木や建築物など現地状況などにも左右される。だから実証が必要となる。富士山最遠望の地は、和歌山県・色川富士見峠。01年、2人の篤志家が写真撮影に成功、ついに証明された。その距離なんと322・9キロ。実は、京都からも富士山がわずかにかいま見える可能性があるという。武奈ケ岳北西4・5キロ地点。通称サイの角。でもいまだ証拠写真はない。人がそこへ行けるのかどうかもわからない。~書評<「富士見」の謎―一番遠くから富士山が見えるのはどこか?[著]田代博 [評者]福岡伸一>(朝日新聞 2011年07月03日)より

セリグマンの犬.pdf

◎<電車噺③>おばちゃんの親切.pdf

うっかりミスの法律施行.pdf

◎慶長年間創業の法蔵館社長は「うちの仏教書は企画に10年、つくるのに10年。読むのにも10年かかると言われますけどね」と苦笑していた。家2軒が建つ大金をはたき、清水の舞台から飛び降りる覚悟で大手に先駆けてサルトルの出版権を得た人文書院。大学入試の過去問集「赤本」で有名な教学社はその収益で良質の教養書を世界思想社の名で世に問う。もうかりそうもない山岳書をコツコツ刊行しているナカニシヤ出版は心理学関係の教科書類を経営の柱に置いている。そろばんははじくが、目先の利益にとらわれない。京都の出版人の気概である。<毎日新聞「発信箱」13.4.18>

◎地球が直径1mにサイズダウンした場合の海水量は660cc、ビール大瓶1本程度しかない。飲める淡水にいたってはわずか5cc。<『地球がもし100cmの球だったら』>

◎ニュートンが英国経済を銀本位制から金本位制に変える方向付けを行った(書評:ニュートンと贋金づくり.mhtより)

ミルグラム実験.pdf

◎・・・・・第二次世界大戦の最中にアメリカ軍で兵士の大規模調査が行われた。戦闘直後に行われた調査によると、ドイツまたは日本軍との接近戦に参加した兵士の発砲率は、どの場合でも15%から20%だったという。撃っても当たらないとか、逃げ出したということではなく、8割以上の兵士は、発砲さえしていなかった。敵と至近距離で向かい合ってさえ人は簡単には人を殺せない。そして、二〇世紀になってからの戦争ではつねに、ストレスで心身衰弱の状態になり戦闘できなくなる確率の方が、敵に撃たれて死ぬ確率よりよりずっと高かった。唯一の例外はベトナム戦争である・・・・・。この戦争では発砲したアメリカ兵士の割合は90%に達し、心身の衰弱を経験する確率と敵に殺される確率はほぼ等しくなった。ベトナム戦争では、アメリカ軍は、兵隊が人を殺すことができるように訓練を改良してから、兵士を送り出したからである。簡単に言えば、それは繰り返しの射撃訓練である。ただし、丸い標的ではだめで、リアルな状況でリアルな人型標的を打つことが重要であった。「シミュレーターの迫真性」が効果をあげたのである。もっとよいのは、当たれば痛みは感じるペイント弾を使って、実戦に近い形で、人を撃つことを繰り返し訓練することだ。繰り返し慣れさせ、考えなくても判断し、対応できる、そういう行動主義的なトレーニングをおこなうと人に対する発砲率は高まることが示された。・・・・・。 ~書評『「戦争」の心理学-人間における戦闘のメカニズム』(D・グロスマン、L・W・クリステンセン 著)」< 小西聖子評>(毎日新聞 08.6.1)~

◎一九五八年から九一年までの間、日本の一人当たり実質GDPはおよそ六倍にも増えた。にもかかわらず、生活満足度はほとんど変化がない・・・・・。一人当たり実質GDP一万ドルくらい・・・・・のレベルを超えると、所得の増大と幸福度の上昇は単純な結びつきを失う。例えば、所得が増大した当初は確かに幸せな気分になるものの、次第にその所得水準に慣れてしまって、幸福度は次第に以前のレベルに回帰してしまうというのだ。さらに、「願望」水準のシフトがこれに加わる。所得が増大し続けるうちに、人々の望む所得水準が上昇してゆく。願望が達成されてこそ幸福度は上昇するのだが、その願望水準自体が上昇していくのだから、幸福度はすんなりとは上昇しない。ときには下落することさえある。加えて、他のメンバーとの所得の位置関係によっても幸せ感は影響される。かくして、単純なる成長至上主義は退けられることになる。・・・・・政治制度と幸福度の関係。・・・・・政治への市民参加の度合いが高いほど、そして地方分権の度合いが高いほど幸福度が高くなる・・・・・。 ~書評「幸福の政治経済学(B・S・フライ、A・スタッツァー 著)」<中村達也 評>(毎日新聞 05.5.1)~

他民族理解の難しさ.jpg 

人は自ら望む事を信じる。古代ローマの英雄カエサル(シーザー)の警句である。紀元前56年、ガリア(現在のフランスなど)制圧に乗り出した時のことだ。北西部ブルターニュに派遣した副将サビーヌスが敵陣にスパイを放ち「ローマ軍は脱走者続出、戦意喪失」というニセ情報を流させた。願ったりと攻め寄せた敵は思わぬ逆襲に遭い、敗走した。カエサルはこの逸話を「ガリア戦記」に書きとめ、論評を加えた。「およそ人は自分の望みを勝手に信じてしまう」(岩波文庫、近山金次訳)<毎日新聞「風知草」13.3.11>

◎ペルシャの大軍がギリシャに侵攻する直前のことだ。ペルシャの陣営で捕らえられたギリシャの密偵が処刑される寸前、ペルシャ王は密偵にありのままを見せて送り返せと命じた。その強大な軍容を知れば相手は戦意を失うと考えたのだ。だがギリシャは情報をもとに防備を固めてペルシャを撃退し、王の心理作戦は失敗した。では「もし古代中国の兵法家・孫子(そんし)だったらどうするか」。そう問うたのは冷戦時代に米CIAを率いたアレン・ダレス長官だった。孫子ならスパイに賄賂を与え、ペルシャの戦力が実際より弱体だと報告させただろう-ダレスはそう述べている。彼は多くの国が占いで戦争をしていた時代に情報戦を重視した孫子のリアリズムを高く評価した。またそれに学んだ毛沢東(もうたくとう)らの戦略や戦術を警戒した。(毎日新聞「余禄」13.2.22)

◎<電車噺②>感謝が生むパワー.jpg

◎<電車噺①>電車の中で「ぎゃははははあぁ~~」って笑ってる女子高生たちにおっさんが「電車内だぞ、しずかにしろ!」と怒った。彼女たちは静かにしようとしながらも、まだ声を出さないで肩を震わせながら笑いが止まらなかった。それを見たおっさん「マナーモードかよ!」電車内の7割くらいの人が腹を抱えて死んだ。

◎だれにとっても―殊に男にとって、父はうっとおしい壁である。追いつけないほど優秀であっても、逆に目を背けたいほど醜悪であっても、尊敬であれ嫌悪であれ、生涯消えることなくのしかかる父親。なぜなら父とは最初の、最大の他者だからだ。(日経新聞 書評「父」<著者:小林恭二/評者:清水良典> 99.9.19)

花見には稲作農耕の豊穣をもたらす桜の霊力への信仰があるように、秋の狩猟開始期にあたる紅葉狩り(もみじがり)には山や狩猟文化との深い関わりが想像される。(朝日新聞 12.11.22)

◎以前、インドの辺境へ支援に入った日本の女性が、現地の文字を書いたら驚かれた、と言っていた。外国人が書くからではない。「女が字を書く」からだった。貧困や因習で、とりわけ女子が就学できない理不尽が世界に残る▼字が読める母親の子は、乳幼児で死ぬ割合がかなり低くなると、先の本紙「私の視点」の寄稿.pdfに教えられた。識字は人が人らしく生きる拠(よ)りどころ。尊厳と言っても過言ではない。(朝日新聞「天声人語」12.11.14)

反応.pdf

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