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平和を維持する・戦争をなくす・戦争を防ぐ・戦争のない世界をつくるために必要なことはこれではないか。    

                      この記事の出所 : 非武装・非戦の論理

戦争を推進するためには次の3つが必要である。

(1)まず、兵器・武器という戦争道具

  ▽日本では、戦後一貫して武器の国際共同開発参加を阻止する武器輸出三原則を採用してきたが、それに代わる防衛装備移転三原則なるものが14(H26)年4月1日に閣議決定されてしまった。

(2)次に、戦争道具を活用する「兵士」

  ▽「兵士」とは単に戦争道具の使用術を会得している人ではない(自衛隊員は兵士ではあるが、そのままでは「兵士」ではない)。戦争道具は人を殺傷する道具であるから、それを躊躇なく活用するためには兵士自らが戦争道具化しなければならない。戦争道具化した兵士とは、(戦争とは何か、それは善か悪か、それは必要か不要か、などを)考えない、それゆえ、(戦争で死傷する)人の心や体の痛みを思わない・感じない人または(戦争で死傷する)人の心や体の痛みを思わない・感じない、それゆえ、(戦争とは何か、それは善か悪か、それは必要か不要か、などを)考えない人のことをいう。このように、考えない・思わない・感じない兵士を「兵士」という。つまり、 「兵士」とは人間性を失った戦争道具化した兵士のことである。なお、「兵士」の背後には思考(判断)停止の国民がいる(この記事.jpgご参照)。

  ▽「兵士」になることは、戦争で使用される道具になることだから人間性を喪失する(人間は考え、思い、感じるが、人間性を喪失するとは、それをしなくなること)。次の3つの事実がそれを実証している。

     ①イスラエルでは、男子は18~21歳の3年間、女子は18~20歳の2年間、兵役を課せられる(「兵士」になる)。拒否すれば罰せられる(兵役拒否で囚われるイスラエルの若者たち)。イスラエルの若者の多くは、兵役期間が終わると世界旅行をして自らをリセットする。でないと以後の人生設計ができないのだという。

        ご参照 : イスラエル軍「兵士」の苦悩を描いた映画⇒沈黙を破る(09 200_2 日本/0905Photo 公開)<→右画はその一場面(クリックで拡大)作品紹介公式サイト予告編

     ②アメリカ⇒帰還後に自殺する若き米兵の叫び米で処刑された死刑囚10%が退役軍人ミラー

     ③日本⇒イラク帰還員が25人も!悩める自衛隊員の多すぎる自殺

  ▽「兵士」は戦争前に作られるが、戦場でも作られる。「普通の人」も戦場では「兵士」となる。戦場には安全な場所など無いswfので、敵を前にして考え、思い、感じていては殺され、殺される前に殺さなければならないからである。

        ご参照 : アメリカの「兵士」のつくり方を描いた映画⇒ONE SHOT ONE KILL-兵士になるということ -(09 日本/1004公開)作品紹介作品紹介映画評 この映画が本土に先駆けて沖縄で上映されたことを伝える「お昼のNews Access」(BS朝日/10(H22)年2月)に内容紹介映像があります。

  ▽日本においても「兵士」をつくるという戦争準備はすでに整っているとの危惧を感じている人も多い⇒明日戦争が始まる.jpg

  ▽「兵士」とは「思考停止した(考えない・思わない・感じない)人間」であり、思考停止するとき普通の人は怪物になる

  ▽人はもともと殺人に抵抗感を持っている。そのため、一方では、戦争遂行には殺人の訓練が必要。また、一方では、戦場で激しいストレスを受けることになるから、帰還兵の自殺が相次ぐことになる

  ▽「兵士」としてやっていくためには、他者を差別し、自分の力を行使して意に沿わせる意識がないとやっていけない。これが、「兵士」からなる軍隊の本質であり、それが戦場の性暴力を引き起こす(沖縄の米兵による性暴力なぜなくならないの?ご参照)。

  ▽戦場に立つということ~人殺し拒む本能を訓練で耐性つけ兵士の心を変える~

(3)3つ目は「兵士」をつくり動かす装置である。

日本における「兵士」をつくり動かす装置とは、

  ▽戦前にあっては、

   ①国家総動員法(政府がすべての人的・物的資源を統制できるようにする法律で、具体的内容は勅令に委ねたため議会の形骸化をもたらした)

   ②天皇の神格化(教育勅語・軍人勅諭等)

   ③靖国神社

   ④慰安婦制度

   ⑤治安維持法/体制翼賛会(その最下部の隣組)/偏狭的愛国心、など。

   ⑥武運長久(兵士としての命運が長く続くこと、つまり長く戦い続けられること)などと書き込んで、「太陽=生命の根源」を描き生命(いのち)を謳歌する美しい日の丸を生命の消える戦場に若者を送り込むための「装置として利用(=日の丸を冒涜)」するようなことまで行われた。白地に赤の美しい日の丸が戦時中にはこんな姿になっていた。

  ▽現在にあっては、

   ①集団的自衛権行使のための「安全保障関連法=戦争法」

   ②秘密保護法

   ③偏狭的愛国心育成策(その1つに「魔法の杖」たる靖国神社がある<この記事.jpgご参照>)

   ④国歌斉唱・国旗掲揚を強制する制度<日の丸(国旗) ・ 君が代(国歌)ご参照>

   ⑤慰安婦制度必要論、など。

】戦争が推進されるのは、戦争目的があるから。

  ▽戦前にあっての戦争目的は、商品市場獲得/資源獲得/安価な労働力獲得/工場立地権獲得/鉄道敷設権等の利権獲得/農地(移民先)獲得 などのための植民地支配(侵略)<経済(=金銭)的利益のため他民族を武力で抑圧すること>。

  ▽戦後にあっての戦争目的は、同盟国が行なう戦争の支援<他民族を武力で抑圧しようとすることでは、戦前の戦争目的と変わらない>。この目的は、これまでは憲法九条があったため軍隊を派遣して武力行使という形ではできず、基地提供や武力行使なき軍隊を派遣というかたちでしか実現できなかった。この目的を軍隊を派遣して武力行使という形で実現できるようにと、改憲(憲法九条の撤廃)が試みられてきたが、日本人の戦争を忌避する集団的無意識(この記事ご参照)に阻まれてついにできなかった。

   そこで、政府与党は「解釈改憲(集団的自衛権は行使できるというように憲法解釈を変更して憲法九条を骨抜きにすること)を断行した上で戦争法を制定する策」に転じ、2015年9月19日、戦争法を強行可決成立させた。戦争目的を実現するためには、それを国家の目標としなければならない。戦争目的実現を目標とする国家を戦争国家という。戦争法は日本を平和国家から戦争国家に転換させる法律である。(憲法・改憲については憲法・改憲をご参照)

平和を維持する・戦争をなくすためには何が必要か。

(1)究極的には、戦争を推進するために必要な3つ(戦争道具・「兵士」・「兵士」をつくり動かす装置)と戦争目的をなくすことである。

(2)すでに軍隊保有を放棄している国も少なからずある。しかし、日本では必要最低限の自衛権行使は認められる、というのが国民的コンセンサスといえる(ご参照:日本国憲法は個別的自衛権を認めているか)状況の下では、「戦争道具」の即時全廃は非現実的でできないが、武器輸出三原則の回復は必要(ご参照)。

(3)人間性を保持する兵士については、必要最低限の自衛権行使は認められる、というのが国民的コンセンサスといえる日本では即時全廃は非現実的でできないが、人間性を保持しない兵士である「兵士」をつくり動かす装置づくりや戦争目的実現については、それに反対する国民も下記の①・②のように多いので、その力を結集して、すでにつくられ実現しているものについては廃止し、これからつくられよう実現されようというものについては阻止していく必要がある。

  ①150614_614sealdsshibuyademo戦争法整備阻止に向けて若者たちが行動した→右写真は、15.6.14の東京・渋谷での「戦争法案反対デモ」(SEALDsのフェイスブックより)<クリックで拡大>

  ②戦争法整備阻止に向けて連日のように全国各地で集会・デモが行われた(日本全国デモ情報ご参照)。

  ③ご参考:<問>デモで社会は変わるのか?  

(4)「兵士」でない人というのは、考え、思い、感じる人である。何を考え、思い、感じる人なのか。人の心や体の痛みを感じ、それに思いをはせ、それをなくすためにどうすればよいのかを考える人である。端的に言うと基本的人権を尊重する人である。

 基本的人権(略して人権)とは、「人間らしく生きられること」「人間として尊重されること」「人間としての尊厳を侵されないこと」である。戦争は最大の人権侵害である。

 「兵士」がいなければ戦争はできない。平和を維持する(戦争を防ぐ)ためには、基本的人権を尊重する人を増やし、そうでない人を減らすことが必要である。そのためには、基本的人権が尊重される社会(学校・職場・地域・家庭などあらゆる場)を維持・創造することが必要である。具体的にいうと、いじめ・体罰・不登校などを引き起こさない学校(基本的人権を尊重する人間を育むことを第1の教育目標に掲げ、実践している学校)を維持・創造すること、いわゆるブラック企業(労働者破壊企業)を絶滅させ、大企業が「ホワイト認定」申請に二の足を踏むような状況ミラーを変えることなどである。もちろん、ブラック企業を増殖させる労働諸法(労働者派遣法改悪残業代ゼロ法など)はもってのほかである(ご参考→派遣法改悪は鬼のすること)。

      ※「小さな人間」には戦争を起こす力はありませんけれども、戦争をやめさせる力は持っています。いくら「大きな人間」がやっきになって戦争をしろと叫んでも、「小さな人間」が動かないと結局戦争はできない。このことは忘れてはいけないと思います。「小さな人間」が持つ力、それを実現するのがデモクラシーだということが民主主義の一番根本の原理です。<「オリジンから考える」(小田実)より

 人権破壊につながる経済格差を21世紀の資本(「格差の拡大は資本主義の本質」)という理論等も援用して是正していくことも必要である。

 「兵士」にならない・なれない人が戦場にいけばどういう行動をとるか。その答えがこの文に記載されている。そこに記載された行動は第2次世界大戦でのドイツ人軍人の例であるが、この行動(ドイツ軍人でありながらユダヤ人を救済)を普遍化すれば(時代・国を超えて当てはまる表現にすれば)、「自分を育ててくれた愛する祖国が人間の尊厳を否定する堕落国家に転落するのを阻止するために、祖国を愛するがゆえにその名誉を守るために、祖国に反抗し祖国の敗北をめざす行動」ということになる。また、この行動の動機は、先のこの文によれば、教育や人格と生活様式の中で身についていた、とのことであり、それを踏まえると、「兵士」にならない人間を増やすためには、基本的人権を尊重する人格を育む教育や生活様式が必要である。

 軍隊は「国家」の機関の一部であって、敵対する国家の体制の破壊と自らの国家の体制を防衛するものであって、「兵士」(考えない・思わない・感じない兵士)と将校(「兵士」に命令する人)からなる軍隊は(いざとなれば)、国民を守らない住民を守らないということも認識し(軍隊は住民を守らないもご参照)、「軍隊は国民・住民を守るためにある」という先入観を払拭することも大切である。

(5)Tbs14811イスラエルとアラブの学生がNYで反戦集会(14.8.11)<→右図はニュース映像の一場面(クリックで拡大)…不具戴天のイスラエルとパレスチナ両国の女性(背後にあるのは両国の国旗)が、争いを乗り越えて共に手を携えることの喜びを笑顔で肩を組んで分かちあっている。これが、日本国憲法第9条の目指す姿である。ミラーその動画部分イスラエルで反戦集会(14.7.26).jpgイスラエルで反戦集会(14.7.26)良心的兵役拒否を貫くイスラエルの高校生たち⇒このような、最大の人権侵害である戦争に反対する人々(基本的人権を尊重する人々)が増大すれば戦争をなくすことができる。

(6)戦争目的は各国によって違うが、現在、日本の戦争目的は同盟国の戦争支援である。その目的を実現するために政府与党は戦争法成立(戦争法整備)を目指し、15.9.19に成立させた。戦争法成立(戦争法整備)は同盟国のリクエストであった(安保法制はすべて同盟国のリクエストだったという証拠がご参照)が、戦争をなくすためには、このように同盟国のリクエストに応えようと努める政府を、国民の命を外国に売り渡す行為を否定する政府に取り替えることが必要である。

 なお、国民の命を外国に売り渡す政府は、戦争法成立に賛成している人々が最も嫌う「売国的(自分たちの保身のために国民の命・尊厳・誇り・名誉・利益等を外国に売り渡すこと)政府」とも表現できる。また、売国的なやり方を否定する政府は、戦争法成立に賛成している人々が望んでいる「愛国的(国民の命・尊厳・誇り・名誉・利益等を守ること)政府」とも表現できる。

 関連 : 若者は、10年前にドラマ「女王の教室」が指摘した状況を突破できるか。

(7)騒ぎを煽る政治家や論客に注意せよ。静かな姿勢を示すことが大事。

日本が武力行使(戦争)せずに国を守る道 

】平和を維持する・戦争をなくすためには、日本国内における武力行使なき内戦に打ち勝つことが必要。

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