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イスラム世界の歴史を学ぶ高校生の疑問

 「マホメットは・・・・・偶像の崇拝を禁じ、種族・階級・貧富の別なく、人間はアラーの前では平等であると説いた。」「イスラム文化 絵画や彫刻では、偶像禁止の徹底により、本格的な造形美術はみられなかったが、花・数字・幾何学文様を組み合わせたアラベスクと呼ばれる装飾文様が発達した。」<文英堂「解明 世界史」(1976年発行の高校学習参考書)より(太字は引用者による)

 日本の高校生は、イスラム世界の歴史を学ぶときに、イスラム教が徹底した偶像崇拝禁止の宗教であることを学びます。

 唯一神アッラーは偉大であるから、それを人間が見たり触ったりできるように描いたり彫像したりするのは神を冒涜することになります。また、「偶像=神像」を拝むと言うことは神そのもの以外のものを拝むことになるので一神教の教義に反することにもなります。こうして、預言者(神の言葉を神から預かって人間に伝える人)としてイスラム教を創始したムハンマド(マホメット)は偶像崇拝禁止を重要な教えとしたのです。なお、預言者ムハンマドは人間ですが、それを描いたり彫像したりするのも神以外のものを拝む偶像崇拝となるので禁止されています(イスラム教の聖典コーランやムハンマドの言行録であるハディースには「預言者を描いてはいけない」といった明確な記述はありませんが、それはイスラム法学者の一致した解釈とされています)。

 今、フランスの週刊誌シャルリー・エブドが、非イスラム教徒が偶像を描くのは言論の自由だとうそぶいて、敢えて、偶像禁止を大切な教えとするイスラム教徒が激怒するよう仕向けるようにイスラム教の預言者ムハンマドの偶像を、しかも風刺画として週刊誌に掲載するのはなぜか、という疑問をもっている日本の高校生が多いのではないでしょうか。

 その疑問を持っている高校生に「これも答の1つになるのではないか」と前置きしつつ、答えになりそうなものとして提示できるものがこの記事(スノーデン氏、パリのテロとイスラエルの関係性を指摘)ミラーに掲載されています。なお、その記事内容を補完するものとして、シャルリー・エブドがこれまでイスラム教徒を激怒させ続けてきた事実(この記事ご参照)を指摘することができます。

 <追記1>シャルリー・エブドに掲載された預言者ムハンマドらしき人物の漫画とそれに添えられた文について、このような見解があります⇒シャルリー・エブド」誌が示す文化翻訳の問題ミラー

 <参考>シャルリー・エブド襲撃事件をどう見るか?⇒パラダイムの違いを認識した上で、共存への道を探っていくしかない.pdf

 <追記2>シャルリー・エブドは品性・品位なき(他者・他民族の気持ちや幸せを考える能力や態度がないこと)週刊誌であることが再確認されました⇒ご参照

 

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