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人は殺人に抵抗感→[戦争には発砲率を高める訓練必要/戦場では激しいストレス(→帰還兵の自殺]

 意外にも多くの兵士が銃を撃っていなかった。米軍が調べたところ、第2次大戦で戦闘中に発砲したのは、全体の15%から20%に過ぎなかったという。デーヴ・グロスマン著『戦争における「人殺し」の心理学』(参照Ⅰ参照Ⅱ)が紹介している話だ▼その後、米軍は発砲率を上げるための訓練法を開発した(下記の注1をご参照)。朝鮮戦争では55%になり、ベトナム戦争では90%以上になったそうだ。著者は言う。本来ほとんどの人間には同類である人間を殺すことに強烈な抵抗感がある、と。であればこその訓練(ご参照:人は簡単には発砲できないが、思考停止の訓練で発砲率は高まる。)▼戦場は人を激しいストレスにさらす。心を壊す。イラクとアフガニスタンの戦争に派遣された米兵200万人のうち、50万人が帰還後に精神を病んだ。デイヴィッド・フィンケル著『帰還兵はなぜ自殺するのか』(ご参照:ミラーⅡ.pdf)が挙げる数字だ▼悪夢、パニック、記憶障害、人格変化……。書名の通り自殺者も多い。多くの事例から防止のための教訓を引きだそうと国防総省は躍起だという。どの戦争にも必ず「戦争の後」がある――。著者の言葉が重く響く▼自衛隊員も戦場の近くで恐怖や緊張に直面してきた。イラクやインド洋に派遣された隊員のうち54人が帰国後に自ら命を絶ったという。防衛省が一昨日、明らかにした。個々の原因の特定は困難としているが、派遣と無縁かどうか(下記の注2をご参照)。▼安全保障法制で自衛隊員のリスクが高まるという議論は木を見て森を見ていない。首相はそう言うが、木を語らずに森は語れない。隊員の「派遣の後」にも思いを致す議論が必要だ。 ~朝日新聞「天声人語」<15(H27).5.29>(太字・注・ご参照は引用者による)

  注1 : 発砲率を上げるための訓練法(「兵士=思考を停止した人」を作り出すメカニズム)を描いた映画が『ONE SHOT ONE KILL-兵士になるということ ⇒思考停止するとき普通の人は怪物になる

  注2 : 自衛官自殺についての政府答弁書.jpg

✩ご参照検索「兵士は発砲できない

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